経営状況の把握に役立つ会計
中小会計要領は、①内部統制が整備されていない、会計担当者もゼロか少人数である、②情報の利用者は主に金融機関である、③法人税法を意識した会計処理が行われている、という中小企業の実態を踏まえ、企業の成長に役立つ決算書を作成できるように、次のような考え方で策定されています。
●中小会計要領の考え方
- 経営者が活用しやすく、理解しやすく、自社の経営状況の把握に役立つ会計
- 会融機関をはじめとする利害関係者への情報提供に役立つ会計
- 中小企業の実務を考慮し、税制との親和性を図った上で、会社計算規則に準拠した会計
- 中小企業に過重な負担を課さない会計
また、中小会計要領の特徴の一つとして、経営者が自社の経営状況を適切に把握するため記帳の重要性が強調されています。つまり、記帳がタイムリーに行われることで、その内容に誤りや脱漏がなくなり、その結果である決算書の信頼性が高くなるからです。
財務経営力を高める
これからの中小企業には、中小会計要領を適用しつつ、信頼性の高い決算書を作成し、そこから経営者が自社の経営状況を把握し、経営計画を作成するとともに、金融機関等の利害関係者への財務状況や資金繰りの状況に 関する説明能力である財務経営力を向上させることが求められます。
そのため、会計事務所から決算説明や経営助言などを受けながら、社長自らが金融機関等に経営を語れる能力を身につけましょう。
●融資も有利に!
4月から、日本政策金融公庫において、中小会計要領を適用した場合に金利を優遇する「中小企業会計関連融資制度」がすでに始まっています。このような動きは、他の金融機関にも広がっていくと思われます。