こんにちは!TKCうめもと会計事務所 代表税理士の梅本です。
前回は、不動産収入で黒字が出ている場合の法人化のメリットについてお話をいたしました。
今回は、赤字の場合でも法人を活用できるケースがあること、そして最後に法人利用をするときの具体的な進め方をご紹介して締めくくりたいと思います。
1)不動産を譲渡して赤字となる場合の節税プラン
個人の場合、投資用不動産の譲渡による損失は同じ年の不動産譲渡益としか相殺できず、給与等他の損益と通算することは現在できません(一定の居住用不動産を除きます)。
これに対し法人の場合は、総合課税(法人の帰属する全ての収入と支出を合算して損益を計算するしくみ)となっているため、不動産の売却損を例えば賃貸収入などの利益と相殺することが可能です。しかも使い切れなかった赤字も法人であれば9年間繰越しができます。
つまり所有している土地建物を売却して赤字になった場合でも法人形態であるほうが税額を軽減できるわけです。
一方譲渡益が出た場合、個人は5年超の長期保有で所得税住民税合わせて20%+復興税(短期保有で39%+復興税)の分離課税となります。税率だけ見ますと法人の税率27%のほうが高いように思われます。しかし実際は法人では総合課税となっており、経費の範囲も個人と比べ格段に広がっています。前回で述べた生命保険の活用などによりあらかじめ経費を作り、のちの譲渡益に充当することが可能となります。
結論は、投資用不動産に関して損失が出ても利益が出ても、法人形態が税務上有利!ということになります。
2)法人設立からの具体的な進め方
では最後に実際の流れをご説明したいと思います。
①まずは法人を設立します。費用として株式会社であれば最低でも25万円はかかります。
しかし合同会社であれば、その半額以下で設立可能です。名刺をもって営業活動をする場合は、
ネームバリューのある株式会社のほうがお勧めですが、その必要がない不動産賃貸業であれば合同会社でも全く問題はありません。
またこのとき株主や役員は、親族等身内で固めてください。他人様を入れてしまうとあとあと、もめ事の原因となりますので
②役員個人から出資または銀行から借り入れして資金を捻出し、法人で不動産を購入します。
③個人で不動産を所有し、法人を不動産管理会社として活用する場合もありますが、節税効果は薄く、節税のうまみはありません。
④法人は、不動産保有会社となり、入居者に賃貸していき、不動産家賃収入を得ていきます。
⑤役員にした親族に給与を支給したり経費を支出していき、利益の圧縮を図っていきます。
以上が、大まかな手順となります。
さあ、富裕層の方は法人を設立して、手元キャッシュを増やしていきましょう!
ご不明な点は、何なりと当事務所までご相談ください!お電話お待ちしております!