《不動産投資法人を利用した節税スキーム》のご紹介(第3回)

こんにちは!TKCうめもと会計事務所 代表税理士の梅本です。

前回は、なぜ法人を設立して不動産投資を行うほうが、個人形態よりもキャッシュを残せるのか?その理由の1つとして、課税される税率の差をお話いたしました。そして有利な対象となるのは、おおむね年収1400万円以上の富裕層であるという点も触れました。

今回は、有利である理由の続きについてご説明したいと思います。

2つ目の理由として、《経費にできる範囲が広い》という点です。つまり法人のほうが節税の選択肢が広がるわけです。具体的には、

①生命保険を活用した役員退職金支給のプラン

②社宅を活用したプラン

③出張時の日当を費用にするプラン などなどです。

これらはいずれも個人形態だと経費になりません。①の生命保険は年間で数百万保険料を支払っても、個人ですと最大で12万円の所得控除のみですが、法人の場合は限度額はありません。しかも税効果も考慮にいれると、支出した保険料以上にキャッシュが増える金融商品的なものも多くあります。そして将来この保険が満期を迎え数千万程度のお金が入ってきたときに役員へ退職金を支給するのです。一定の退職金であれば会社の経費となり法人税がかかりませんし、もらった役員個人側では、一定の控除を引いてくれたうえ、1/2した後に税金を計算してくれる軽減措置が適用されます。②は、役員の自宅を会社名義で契約すれば最低でも1/2の支払いを経費にすることができます。③は、次に投資する不動産物件を下見に遠方まで出張した場合、規程があれば一日ごとに手当が経費となります。かつその手当が常識的な範囲の金額であれば、もらった個人は非課税となります。

このように法人の経費範囲が個人と比べ広いため、役員自身が給料をとらなくとも、余計な利益を残すことなく効果的に節税ができます。

では、なぜ役員が給料をとってはいけないのか?それは最高税率の富裕層の方がこれ以上給料をもらっても、前回ふれたように税金で半分以上(所得税45%+住民税10%)持っていかれて手許にはあまり残らないからです。いま給料でもらって(多額の税金を引かれた後の手取り金額を)将来の老後資金として積み立てるよりも、保険料という形で積み立てて退職金でもらったほうが、はるかに(法人税も所得税も)節税できて手許のキャッシュも増やせます。

これ以外にも、身内に給料を支払い所得分散方式で全体の所得税率を引き下げるやり方もあります。

以上みてきたように、不動産収入で利益が出た場合、法人を利用すると様々なメリットがあることがわかりました。

しかし、利益が出ている場合だけではなく、実は損失が出た場合でも法人を活用することで節税ができます。

次回では、赤字のケースについてご紹介していきたいと思います。

乞うご期待ください!

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