土地・建物の評価はどう決まる?

相続税を計算するさいの土地評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。土地と接している道路に路線価が付されていれば路線価方式で、それ以外は倍率方式で計算します。一般的に市街地は路線価が決められていて、例年7月上旬に発表されます。

①   路線価方式

路線価方式では、路線価図に1㎡あたりの価格が示されているので、これに宅地の面積(㎡)をかけて土地の金額を求めます。坪数しかわからない場合は、坪数×3.3で面積(㎡)を求め、路線価を計算します。路線価図は、国税庁のホームページで確認できます。たとえば図の丸を付した場所に100㎡の土地(自宅として利用)を保有している場合の路線価評価額は、41万円×100㎡=4100万円となります。

②   倍率方式

路線価が定められていない土地では、土地の固定資産税評価額に地域ごとに決められている倍率をかけて評価額を計算します。固定資産税評価額は、「固定資産税・都市計画税の納税通知書」の「課税明細書」に記載されています。

亡くなった方や亡くなった方と同居していた方の自宅の宅地評価については、評価額を減らす特例(小規模宅地等の特例)を設けています。一定の条件(①被相続人の配偶者が相続する②被相続人と同居していた親族が相続して引き続き住む③①または②に該当する者が存在せず、相続前3年間に持ち家のない別居していた親族が相続する)を満たせば、限度面積(現行240㎡、平成27年以降330㎡)に達するまでの宅地の評価額を80%割り引いて評価できます。

建物(自宅)の評価額は、毎年市役所または都税事務所から送られてくる「固定資産税・都市計画税の納税通知者」に記載されている「固定資産税評価額」と同じ額です。

自己所有の不動産を他人に貸している場合の評価については、貸している分だけ財産の評価が下がる形になっています。土地の評価方法は、①自己所有の土地を他人に貸してその土地に他人が建物を建てている場合と②自己所有の土地に自分で建物を建ててそれを他人に貸している場合に分かれます。

①   …路線価方式(又は倍率方式)の評価額×(1-借地権割合)

②   …路線価方式(又は倍率方式)の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※借地権割合:地域によって異なります(路線価図に記載されています)

※借家権割合:30%と決められています

※賃貸割合:賃貸されている部屋数の合計÷その建物の全部屋数

なお建物も土地と同様、貸している分だけ財産評価が下がります。

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

次回以降、節税対策を具体的にご紹介します。

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