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飲食業の方へ梅本会計事務所からの耳寄り情報

バブルの頃は、売上が右肩上がりで、たいていのお店は利益を出していました。がしかし、デフレ不況のこのご時世では、売上の前年割れは当たり前、一方で社会保険料の負担など諸経費は膨らむばかり、この結果ただなんとなくお店をやっている、という企業の姿勢ではまず利益が出ない状況になっています。

つまり、登山に例えるならば、“エベレストに登りたい!”という強い目的意識があって、そのために体力をつけて、必要な道具を用意して、頂上を目指した者だけが登れるわけで、ふらふら歩いていて、気がついたらエベレストの頂上に立っていた、なんてことは絶対にないのです。

利益を出すためのお店作りもこれとまったく同じで、計数管理によるお店の経営が不可欠になってくるのです。
具体的に、2例ご紹介してみましょう。

正確な店舗別の損益計算制度を導入して、利益を出している店と赤字になっている店を把握し、その原因を分析して、スクラップ・アンド・ビルドの実行をすすめ効率の良い店舗のみを確保していったケース

都内や千葉県、埼玉県に数店舗のスーパーを経営するI法人は、それまで全社ベースでの損益管理は行ってきましたが、思うように利益が出せないで自転車操業的に資金繰りをつないでいました。

そこで会計ソフトによる自計化(社内で会計データを入力して、損益計算書などまで作成していく経理方式)を導入するとともに、店舗別の正確な損益を管理するシステムもとりいれました。

その結果、売上はあるが、経費が予想以上にかかっていて、本部経費を負担させると完全に赤字になってしまう店舗、逆に店舗の坪数が狭く、売上金額自体は少ないが諸経費の割合も少なく、本部経費を割り当てても、利益が案外と出でている店舗などが完全に把握できるようになりました。

そして次には、赤字の原因を分析していき、改善が見込めない店舗は、早めに見切りをつけて閉店し、次のより良い条件の物件に投資するというスクラップ・アンド・ビルド方式に切り換えました。

その結果、以前とくらべて初期投資の保証金などの相場が下がっていることもあり、戻ってくる保証金も計算に入れると、そこそこの資金で次の店舗展開を実現することができ、役員の給料アップや従業員のボーナスアップもできました。

あのまま効率の悪い店舗で、赤字を毎月垂れ流していたらきっと、いまごろ社長の給料も取れていないでしょう。

店舗ごとに、売上高、売上原価、人件費などの項目について、目標値を定めて、具体的なアクションプランを実行していくケース

東京都内で、複数の居酒屋を経営するD法人は、以前まで、売上を順調に伸ばしてきていましたが、ここ数年は売上も下がり続け、赤字に転落してしまいました。

そこで、今までの部門別の損益実績値をベースにして、売上高、売上原価、人件費、水道光熱費、衛生費の目標値を店舗ごとに決めていきました。この数値通り達成できればどのお店も利益が出て、結果的に会社全体で黒字になる事業計画です。

次にこの目標値達成のための具体的アクションですが、これは各項目別にプランを立案していきます。

例えば、売上高でしたら、ただ単に“毎月1000万円の売上にする”という漠然としたものではなく、“目標の1000万円を達成するには今月のペースだと、1日あたり36万円の売上が必要⇒とすると現状の平均客単価が4000円なので、1日90人の来客数を確保しなければならない⇒そのためには、今の平均来客数75人よりも、プラス15名増やさなければいけない”などといった計算を即時にできるよう店長に教育します。そしてDMによるリピーターの囲い込みや企業を訪問してサービス券を配るなどの販売促進活動を実行していく具体的アクションを継続して売上を伸ばしていきます。

毎月の店長会議では、先月の予算と実績の対比を全員の前で発表させて、その達成度合いを店舗間で競争させています。各店長の意識もかなり高まって、売上も少しずつ上向くようになりました。

また、人件費の方も、社会保険労務士との共同作業で、実績給を導入し、人件費総額を目標の数値内におさめながら、店長や社員のモチベーションを向上させることに成功しています。

これらの改善策の結果、当初の事業計画通りの利益を確保できる見通しになっています。


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